聞く技術002



仕事帰りの明け方、少しだけ空が明るくなってきているけど、結構星が見える。月は三日月。アポロだっけ?アソコに行こうだなんて、想像力というのは本当に逞しい。人類って物凄いもんだ。でも、月を見て、アソコに行けたら凄いなあ、とワクワク出来てるうちはいいが、行ってしまったら簡単にはワクワクしないんじゃないかな?さらに遠くに行こうとする人類って、もうワクワクではない気がする。ま、でも、月に行ったことがあるのは、自分ではないしね、もしかしたら人類が月に行ったなんて全部ウソかもしれないし。今後自分が月に着陸することなんてあるわけないし、人類とは無関係に勝手にワクワクすればいいのだね。人類の歴史とか、三日月見ただけなのに、余計なことを考えてしまったぜ。ついでに、ゴミ置き場に雑誌がたくさん縛って置いてたの見て、エロ本混じってないかなあ?とか余計なこと考えてしまったぜ。明け方にワクワクを考えると止まらないから、とっとと寝るのだが、ちょっと寄り道。

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高校の倫理かなんかの教科書にも載っているやつで、「マズローの欲求段階説」というのがあるが、今更ながらにこれを眺めてみて、人間そんなに単純ではないと思うが、欲望の種類分けとしてはよく出来ていると思うし、欲望と行動について考えるたたき台としても面白い考え方だと思う。
人間の欲求を5段階にピラミッド状にあらわしていて、欲求は段階を飛び越すこと無く下から順番に満たされていって、ある段階の欲望をいったん満たすとその段階では更なる満足感は得られなくて、次の段階へ進むっていうもの。



実際の人間のココロって、いろんな種類の欲望がその時々でこんな単純なピラミッド状でなく、入れ替わり立ち代わり現れては消えるようなもんだと思う。

この原則とは逆に、自尊心面倒くさいから乞食になってしまおう、ということもあるだろうし、人間のココロの移り変わりは複雑怪奇である。

この欲求段階説が正しいかどうかより、欲望に種類と段階があるという考え方が面白いと思う。そしてお金があればだいたいの欲求は満たされる。だから、金持ちが乞食になれば、堕ちると表現されるし、極貧のテロリストは、ターゲットの命や寝る所を破壊する。

ところで、当たり前だが、鼓膜で音を聞いているわけではなくて、音を意味に変換して、聞いて、いる。

おや、これは、ビートルズの、イエスタデイだな、ポール・マッカートニーの声だな、ドラムの音だな、コーラスだな、ということの他に、うるさいとか、歌詞の内容がどうとか、そのうえで好きとか嫌いとか。

あるいは、誰かのゴシップみたいな覗き見話ならほとんど耳にしっかり入るだろうし、みなさん落ち着いて聞いてください、と言いながらも声が震えているアナウンサーの臨時ニュースは一言一句聞き漏らさないように集中するだろうし。

欲望というより、気分かな?聞く=INPUTすると、「マズローの欲求段階説」的な気分がそれに呼応する。

耳に入る入らない、聞こえる聞こえない、というのは、音がしているかどうか、相手が話しているかどうか、ではなくて、実は(ほとんど)無意識的に、聞く強度、とでもいったらいいのか、取捨選択して、興味のわくこと、その時必要なこと等等、聞く人の欲望に大きく左右される。その話なら聞いたよ、と言う人がいたとして、その話をソラで同じように録音したかのように再生できたとしても、何を聞いたのか、は分からない。分かるとすれば、その前後のその人の欲望(行動)の傾向の変化とかそういうものだろう。

極貧のテロリスト、ならぬ、マネーの虎は、だいたいがピラミッド式の欲望の原則で、楽しそうな話を囁くわけだけど、そこから自由になるのは、たぶん、凄く大変だ。囁くのは虎だけではなくて、ネットニュースの片隅で恋愛指南とかいろいろ、っていうか、世のほとんど、満員電車の理由。

シアワセのピラミッドの形や順番は自分で決めた方がいいに違いない。そして、聞くと、いちいち建て直しになるかもしれない。その両方は、自由だ(つづく)。

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月曜定休が日曜定休になって第一週目、曜日の感覚がずれている。月曜が火曜みたい、火曜が水曜みたい。

昼夜が逆転の生活、ではなくて、毎日夜更かしして、起きないで昼寝、なのだろう。

そんなことどうでもいいかあ。

そんなもんだ。






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七尾太佳史
(ななおたかし)

「秋田ばる七尾」店主。毎週水曜日更新です。


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